自動車業界が「百年に一度」の大変革期を迎える中、国内主要メーカーに鋳鉄部品を提供するアイシン高丘は、勝ち残りをかけてDX推進へと舵を切った。高度化する顧客要望への対応、業務効率化の在り方の見直し、革新技術の活用を課題に掲げ、その第一歩としてオンプレミスで運用していたデータベースのクラウド統合に着手した。
本プロジェクトの大きな特長として、当初からパイプラインの内製化を重視した点が挙げられる。その結果、開始から2カ月足らずで約400テーブル分のパイプラインを自社で構築した。さらにデータ変換自動化ツールの採用やIaC(Infrastructure as Code)の徹底により、運用の柔軟性と安全性を高めた。加えて、基盤構築にとどまらず「データ活用ラボ」を設置し、現場課題に即した人材育成を進め、データドリブンな文化醸成を図っている。
今後は、AIを用いた自然言語によるデータアクセスや、AIエージェントによる需要予測の自動化を推進する。誰もがデータに基づき意思決定できる環境の整備を通じて、カーボンフットプリントへの対応や原価管理の精度向上、ひいては国際競争力の強化を図る考えだ。