社会インフラや工場といったOT領域におけるトラブル対応に当たる熟練者のノウハウを、AIに継承するプロジェクトは、当初有用な結果を得られなかったという。現場での緊急時の判断は、装置の構成や環境(温度や湿度)などに応じて適切かつ迅速に下す必要があり、ここで初心者と熟練者の差が出るといわれている。AIは、この「差」を埋められなかった。
このギャップを解消して、現場で納得感の高い回答を得られるようにするには、熟練者がマニュアルに記載しない「判断の手掛かり」を収集してデータ化し、さらにそれらをAIが理解できるように翻訳する必要がある。その第1段階となる、熟練者のノウハウを言語化して思考プロセスを整理する場面で大きな役割を果たしたのが、観察調査のスペシャリストであるエスノグラファーだったという。
本資料は、OTの現場において「使えるAI」の開発と実装の過程を追った事例シリーズの第3回目となる。熟練者のノウハウの言語化、データ化、AIへの取り込みなどの一連のプロセスを、エンジニアリング的な視点から解説している。生成AIの業務への組み込みを今から始めたいと考えている組織にとって、大いに参考になるはずだ。