初心者が配属される時代、多拠点／多店舗企業のIT部門が人材難を乗り越えるには

　国内ITサービス市場が堅調な成長を続ける一方で、国内におけるIT人材不足は深刻化しており、2030年には最大で79万人が不足する可能性があるという。また、IT投資で解決したい課題として、多くの企業が「業務プロセスの効率化」を重視していることも、IT部門のミッションが重くなり、IT人材不足をさらに加速させる要因となっている。

　これに加えて、IT部門を苦しめているのが、IT環境の複雑化とマルチベンダー化だ。クラウド化やSaaS利用が加速し、複数のサービスを組み合わせてIT環境を提供することが当たり前となりつつあるが、サービスや技術ごとに異なるITベンダーを抱える運用体制が、IT部門によるコントロールをさらに難しくしている。

　このような問題が特に顕著に見られるのが、複数の拠点や店舗を持つ企業だ。IT人材確保のために社内人材の育成や再配置を行っても、思うような成果が出ず、「人事異動のたびにIT初心者が来る」ようなケースさえあるという。多拠点・多店舗を持つ企業のIT部門は、どうすればこれらの問題を根本的に解決することができるのだろうか。