金融サービスのデジタル化が進む中、「システムのユーザー体験の向上」「運用の効率化」が企業にとって大きな課題となっている。とりわけ新NISA対応など制度変更が相次ぐ証券業界では、システムの安定性と柔軟な運用体制の確保が急務となっている。
三菱UFJ eスマート証券では2023年、「新スマホシステム(現「三菱UFJ eスマート証券アプリ」のシステム)においてシステム障害が起きたが、従来のログを中心とした監視の仕組みでは、障害原因を特定し切れなかったという。このような問題を抜本的に解決するために同社が導入したのが、システムを包括的に観測し、システムの状態を可視化するオブザーバビリティプラットフォームだ。
導入当初の観測対象は新スマホシステムに絞られていたが、のちには投資情報ツール「kabuステーション」や法人向けAPIサービス「kabu.com API」へと観測対象を広げた。同社は、社内の全システム技術者が、同プラットフォームを通じてシステムの状態やイベントログを確認できる体制を整え、障害対応の迅速化を実現した。本資料では、同社の取り組みを詳しく紹介する。