「借入による投資を増やして売り上げの成長を図るか」「売り上げよりも効率性や利益率を重視するか」など、経営者はさまざまな指標をもとに経営上の意思決定を下す必要がある。その1つに借入金の返済能力があるが、いざ分析しようとすると、何をどう分析したらよいのか分からないなど経営指標への理解不足が課題となるケースは少なくない。
例えば、借入金を返済するのは現金預金のため、「貸借対照表の現金預金で借入金を割ればよい」と考えがちだが、貸借対照表の現金預金と同額が毎年増えるわけではないため、あまり意味のある計算とはいえない。また、借入金を損益計算書の売上高で割ることで、売上高の何年分の借入があるかが分かるが、売上高の全てを借入金の返済に充てることはできないため、これも適切な指標とはいえないだろう。
それでは、借入金の返済能力を調べるには、どの指標をどのように算出すべきなのか。そこで本資料では、借入金を何年で返済できるかを示す指標である「債務償還年数分析」を取り上げ、その定義や計算方法、数字の見方を紹介する。