コールセンターは、顧客の声をくみ取り、より満足度の高いサービスを提供するための起点となる重要な存在だ。またプロフィットセンターであると同時に、重要なデータがCRMなどのシステムと連携される場所でもあるため、その変革は失敗が許されない。
調味食品や保存食品などの食品事業を展開するカゴメでは、コロナ禍を契機にコールセンターのリスク分散とBCP対策を目的とした、オンプレミスのPBXのクラウド化を決断。その際、長年駆使してきたクラウドCRMシステムのコントロール機能を継続して利用するという必須要件があった。この機能を継承することを前提に、移行計画はスタートしたが、アナログ回線からIP回線への移行という問題が立ちはだかる。
そこで同社は、アナログ回線から移行ができる顧客エンゲージメント基盤を導入。その結果、クラウドPBXでのコールセンター運用をスタートさせ、BCP対策という目的を達成することにつながった。オンプレミス機器の保守立ち合いや更新コストが不要になり、ハイブリッド型のPBXと比較した際の初期費用は3分の2以下になったという同社の事例を基に、同基盤の特徴を解説する。