欧州委員会は2019年5月、行政機関が保有する社会データの保護・利活用促進に向けて、ガバメントクラウド戦略「European Commission Cloud Strategy」を採択した。その目的は、EU加盟国の政府情報システムのクラウド化を促進することであり、安全性が高いマルチ/ハイブリッドクラウドを原則としている。
ドイツ連邦政府はEU他国に先駆けてこの戦略を実践し、現在では複数省庁が「Bundescloud」と呼ばれる分散・連携型クラウドを利用している。オンプレミス型プライベートクラウドのBundescloudでは、クラウドのメリットを享受するとともに、取り扱うデータの保護水準に従い、オンプレミスの特性も生かしながら社会データを安全に集約管理している。
また、個人情報などの保護の必要性が高いデータを省庁間で共有する際には、データ授受をセキュアに実行するためのデータ制御技術も活用しているという。本資料ではドイツ連邦政府の事例から、安全なマルチ/ハイブリッドクラウド活用のヒントを探る。Bundescloudのアーキテクチャも紹介しているので、参考にしてほしい。