近年の製造業において大きな課題となっている「技術伝承」。ある調査では9割以上の企業が重要視しながらも、「スムーズに実現できている」と回答した企業は半数弱にとどまった。特に重大な問題となっているのが若手人材の獲得と育成だ。具体的な課題の上位として、人員の獲得からOJTまでの計画的な実施、指導者と若手のコミュニケーション不足などが挙がっており、これらの改善が急務となっている。
こうした状況を受け、多くの企業が、高年齢従業員の再雇用や勤務延長、テキスト化やマニュアル化、IT化による継承技術の可視化などに取り組んでいる。しかし現場ノウハウはヒト・モノ・機械の「動き」に依存することから、文書・デジタルでは伝えきれない内容が多く、作成・読み込みにかかる時間がネックとなる。また熟練者によるOJTも指導側の時間が取れない、進捗状況の把握が難しいなどの問題もある。
では、成功を実感できている企業はどう取り組んでいるのか。本資料では技術伝承における実態とともに、企業事例を交えて熟練技術者の勘やコツ、暗黙知を可視化するためのポイントを紹介する。