地域活性化に向けた迅速な施策の実行を目指し、勘定系システムのパブリッククラウド化に取り組んだ大手地銀のB行。利用するクラウドはMicrosoft Azureが選ばれたが、オンプレミス環境と同等の可用性を、クラウド上で担保できるかが課題となった。だがAzure上では、可用性を担保するWSFC(Windows Server Failover Clustering)で、共有ディスクを使えないという問題が発生する。
そこで、システム構成に手を入れず可用性を担保するために採用されたのが、サードパーティー製のデータレプリケーションソフトだ。同行の勘定系システムを支える日立製作所のJP1で、Azure上での同ソフトとの組み合わせがサポートされたことも決め手になった。
Azure上に実装された同行の勘定系システムは、2021年にカットオーバー。実際に障害が発生し、WSFCによってサーバのフェイルオーバーが実行されたこともあったが、同ソフトによりデータの整合性が担保され、効果を実感したという。同行の事例は、ミッションクリティカルな金融系システムのクラウド移行における可用性対策の参考となるだろう。