ビルや工場、施設などの空調設備を手掛ける高砂熱学工業。同社の基幹システムは、メインフレームで構築し、機能を追加、拡充、改修しながら40年間使い続けていた。しかし、技術者の高齢化や人材不足などが進んだため、標準化されたシステムへの移行が急務となり、IaaS(Infrastructure as a Service)移行を決定した。
基盤にはMicrosoft Azureを利用し、会計情報基盤にはSAP S/4HANAを採用。しかし、従来の堅固なシステムとは異なり、IaaSは“落ちることが前提”となるため、メインフレームとは大きく異なる冗長構成が必須となった。特にSAP S/4HANAの冗長構成は、移行先のクラウドベンダーにも対応オプションがなかったため、サードパーティーベンダーの製品を検討。
ここで最重視したのは、HAクラスタを構成した場合に稼働系と待機系のシステムが連携できず、双方が稼働系になってしまうスプリットブレインを防ぐ機能だったという。そして条件を満たす製品を導入した結果、システム障害が発生した際でも短時間で復旧できるシステムの構成を実現した。本資料では同社の取り組みを詳しく紹介する。