競馬は非常に公共性の高い事業であるため、情報インフラに対しても極めて高いレベルの信頼性が求められる。中央競馬の運営を行う日本中央競馬会(JRA)では、主要な基幹システム群をVMware vSphereによる統合IT基盤上に集約していたが、そのバックアップにさまざまな課題を抱えていた。
D2D2T方式による従来のバックアップはテープへの書き込みに最大10時間要しており、書き込みに失敗するケースもあるなど、処理の安定性も低かった。また、サーバ/クライアント/データベースのバックアップは別々のツールを用いて行っていたため、運用管理の煩雑化に加え、ライセンス費用も大きな負担だったという。そこでJRAは統合IT基盤の更新を機に、新たな統合バックアップシステムの導入に着手する。
これにより現在では、バックアップ処理は数十分レベルまで短縮され、ツールの集約によりライセンス費用は約3分の1に削減された。本資料では、バックアップの信頼性の向上と運用負荷の軽減をはじめ、多くの成果を上げたJRAの事例を基に、同システムの実力に迫る。