さまざまな業界で活用が進むAIだが、昨今では山火事対策においても大きな力を発揮している。例えばスタンフォード大学では、燃料水分を推定するディープラーニングアルゴリズムを開発。葉の色、人工衛星から送信されて葉を通過したマイクロ波の数、木の高さなどの約20のデータポイントを組み合わせることで、葉や木部の乾燥度合いを割り出すことに成功した。
また、AIを搭載したドローンも活躍している。Drone Amplifiedが開発したIGNISというシステムは、小規模な火災を引き起こして燃料を奪うことで山火事の延焼を阻止したり、山火事の進行状況を調査して適切な判断につなげたりしているという。とはいえ、火災は非常に複雑な現象であるため、全ての変数を明確にし、それらの相関関係を理解することは非常に難しい取り組みといえる。
本資料では、AIや人工衛星、ドローンなどを活用して山火事と闘う2つの組織の事例を紹介する。併せて、AIによる予測分析の課題を明らかにしつつ、今後の消防活動においてAIが果たす役割についても言及している。