2022年1月施行の改正を機に、電子帳簿保存法への対応を進める企業は多いだろう。運用面での要件が大幅に緩和されることが背景にあるが、緩和された要件だけに対応して電子化を進めては、後々問題が生じる可能性が高まってしまう。中身をよく理解して慎重に進めなければならない。
例えばタイムスタンプ廃止の可否。従来、スキャン文書による保存の場合にはタイムスタンプ付与が必須だったが、今回の改正により、入力期限内の入力が確認できることを要件にタイムスタンプ付与が免除されることになった。これはあくまでも、タイムスタンプを付与した場合と同様の効果が得られる場合に、タイムスタンプ付与が不要になるということ。具体的には、SaaSなど他社管理のクラウドサーバに保存するケースも多いが、サーバの時刻設定が公共の時刻情報と同期されていて、ユーザー企業が時刻設定を変更することができない場合などだ。
この他にも、対応を進めるに当たって注意が必要な点は多数ある。本資料では、国税庁Webサイトで公開された電子帳簿保存法一問一答の中から“肝”となる質問をピックアップし、そのポイントや注意点を元国税庁調査官が解説する。