サイバー攻撃の高度化により、これまでよりも大規模な被害の発生が懸念される中、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の役割が大きく変わりつつある。CISOにはビジネス戦略全体に深く関与し、適切なセキュリティ予算の策定に貢献することが強く求められるようになった。
こうした期待に応えるためにまず取り組むべきは、組織を取り巻くリスクの定量化だ。これは容易ではないが、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)が提供するフレームワークなどを使用することで実現可能だ。さらに組織としてのリスクの許容度を定めておけばセキュリティを客観的に評価できるようになり、提案する予算の説得力が増す。
本コンテンツでは、現代のCISOが実践すべき、セキュリティ予算の策定に向けたベストプラクティスについて考察している。脅威モデリングを使用したリスク管理指標(KRI)の分析法や、セキュリティ投資効果(ROSI)の定量化など、予算編成プロセスを加速させる具体的な手法について解説しているので、参考にしてほしい。