欧州、中東などでヘルスケア事業を展開するテルモヨーロッパでは、2012年からSAPシステムを構築し、1500人以上もの従業員の生産性向上のために活用してきた。同社はさらなるビジネスプロセスの強化を求め、またすでに先行していた他のテルモ事業体との連携を実現すべく、SAP ECCからSAP S/4HANAへのアップグレードを計画する。
しかし同社のSAP環境はかなり大規模なものであり、納期と予算を守りながらのアップグレードは非常に困難になることが予想された。規制が厳しく、ミスが許されない医薬機器業界において、ビジネスに及ぼす潜在的な混乱を回避するためにできるだけ短期間での移行が求められていた。
本コンテンツではテルモヨーロッパにおけるSAP S/4HANAへの大規模マイグレーションに向けた取り組みを紹介する。同社はわずか9カ月でこの目的を完遂したが、その背景には各国170人以上のユーザーが完全リモートで参加した受け入れテストの実現と、4000以上の問題点を自動修正した強力なコンバージョンツールの存在があったという。