安全を第一とする鉄道事業の運営において、JR西日本がこれまで運用してきた情報基盤はFC-SANを用いた3ティア構成で、物理構造が煩雑だった。このため配線の変更作業ではトリプルチェックが必要になる他、負荷の高いワークロードによって仮想化環境の他のシステム性能が圧迫されるノイジーネイバー問題もたびたび発生していた。
これらの課題を一掃すべく、同社はシンプルなシステム設計によるIT基盤更改を模索する。情報系システムは、鉄道の運行管理システムとは切り離されているものの、各種関連業務を裏で支える重要な仕組みだ。そこで安定性の確保とパフォーマンス向上を求める同社が注目したのが、VMware vSANとハイパーコンバージドインフラ(HCI)の組み合わせだった。
この新環境では、1台当たりの仮想マシン作成が従来の4~5時間から約20分へと短縮されるため、年間にして250時間もの作業工数の削減が見込めるという。さらにI/O性能も従来の8倍となり、ノイジーネイバー問題も発生しなくなるなど、要件通りの環境を実現した。これらの効果に加え、同社がミッションクリティカルなIT基盤をスムーズに更改できた理由を本資料で詳しく解説する。