事業の急拡大により、システム環境がしわ寄せを受けるケースは少なくない。AIによる産業分野向けの自動翻訳サービスを手掛けるロゼッタも、物理環境の整理が追い付かず、システムが複数のデータセンターに分散した上、各所に老朽化した物理サーバが点在するといった高リスクな環境を招いてしまった。
そこで同社は物理サーバを集約すべく、インフラの再構築に取り組んだ。当初、サーバと共有ストレージを組み合わせた一般的な構成を想定していたが、VMware vSANを用いたハイパーコンバージドインフラを知り、その計画を練り直した。vSANは大規模構成向けのものというイメージがあるが、実際には2ノード構成の比較的小規模な環境でも導入できると分かったからだ。
この環境なら使い慣れた仮想化環境を維持できる他、インフラの管理レベル・可用性を高め、サーバの運用コストも削減できるなど、さまざまな導入効果を期待できる。同社の事例は、大きなコストをかけずに複雑化したシステム環境をシンプル化したい多くの組織にとって有用なヒントになるだろう。