クラウド構築を実行するオープンソースソフトウェア群である「OpenStack」は、仮想ネットワーク構築において主にNeutronというモジュールを利用する。Neutronはプラグイン機能を用いて、SDNコントローラーなど外部ネットワーク製品と連携することができるため、多くのユーザーが活用している。
クラウド構築では仮想ネットワークの構築や管理が重要であり、クラウドシステム全体の安定稼働には欠かせない要素となっている。Neutronに対応するネットワーク用プラグインにはOvSとMidoNetの2種類があるが、現在デフォルトとなりつつあるのはOvSだ。しかし、大規模で複雑な仮想ネットワークを自由に構築できるOpenStackの柔軟性を支えているのがこうしたプラグインである以上、OvSとMidoNetの比較検証は選定作業にとって欠かせない材料である。
本ホワイトペーパーは、OvSとMidoNetを、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform(RHEL-OSP)4.0とMidoNet1.5を用いたクラウド環境において、耐障害性と拡張性に着目しながら検証・考察している。単一障害点に対する課題解消について図説で言及されているため、多くのユーザーにとって役立つ内容だ。