すでに効率的なIT 環境を実現するための標準的な手法として認知されている仮想化技術。多くの企業では、サーバ、ストレージ、ネットワーク、およびデスクトップといった、従来のインフラストラクチャのすべてのレイヤーを仮想化する取り組みが進められている。そこでは、導入当初のトリガーとなった「コツ削減」を超えて、企業競争力の向上を目指すうえで仮想化がもたらすさまざまな効果が意識されるようになっている。
なかでも大きなポイントとなるのが「ビジネスの継続性の確保」「IT 管理の簡素化」「より戦略的なIT リソースの割り当て」「ビジネスの即応性の向上」の4つである。管理の行き届いた仮想化環境は、次世代の競争を勝ち抜くための重要な基盤となることから、企業においてはこれらの課題に対する早期の取り組みが必須となっているのだ。
本稿では、仮想化がもたらす上記の4つのポイントにフォーカスし、それぞれの取り組みで成功を収めた企業の事例から、仮想化の付加価値を最大化するためのヒントを探る。