F1などのモータースポーツ用をはじめ、乗用車、重機用など、多様なタイヤ製品を製造・販売するピレリ。同社ではグローバル共通の業務基盤としてSAP会計システムを導入している。ただ帳票にはローカルニーズが存在するため、ピレリジャパンは独自の帳票システムを使って国内慣習に即した納品書を作成していた。
だが既存のシステムはSAPから人手を介して帳票システムに入力し直す必要がある他、既製の複写式納品書を使うため1枚の納品書に印字できるのは6行まで。納品物が増えれば納品書を複数枚発行しなければならず、これが物流コストにも跳ね返っていた。そこでオペレータがSAP会計システムに受注データを入力するだけでローカルニーズに即したオリジナルの納品書を自動発行できる「納品書印刷データ連携システム」に刷新。現在、月額数十万のコスト削減を見込んでいるという。
一般に、こうしたシステム改修には専用サーバの調達やSAPとの連携をはじめ、多額のコストと時間が掛かる。だが同社の場合、最低限の期間と一般的なアプリケーション改修費用の5分の1のコストで実現できたという。本稿ではピレリジャパンが採用した秘策を紹介する。