万が一のシステム障害に備え、事業の継続性を確保するために多くの企業がバックアップ環境を構築・運用している。しかし近年、データの増加などでバックアップ対象が増大する傾向にあり、またサーバ仮想化によってシステムが複雑になるなどその管理負荷が重くのし掛かるようになった。さらに処理遅延によって本来の業務に支障を来すケースもあるなど、早急な改善を迫られている企業も少なくない。
そうしたバックアップ環境の改善策として「重複排除技術」が注目されている。本稿では、重複排除技術を活用したバックアップソリューションとそれを導入してバックアップ環境を改善した2社の事例を紹介する。既存のテープ装置と同様の運用を維持しながら、IBM i環境の統合バックアップ環境を実現した「クラシエ製薬」、16時間以上も掛かっていたバックアップ時間を40分にまで削減した「済生会熊本病院」の各担当者がバックアップ環境の改善ポイントを語っている。