アジリティーとコスト効率に優れた“理想郷”とされたクラウドに、いま異変が起きている。本資料は、世界で広がる「脱クラウド」「オンプレミス回帰」の背景と実例を解説する。
まず注目されるのが“デジタル主権”だ。英Civoの調査では、地政学リスクや米国の関税政策を懸念し、米国クラウドサービスからの離脱を前向きに検討する動きが浮き彫りになった。欧州でも「EuroStack」など、主権あるクラウド基盤を求める機運が高まっている。
実例も豊富だ。Xは自社データセンターへの移行で月額コストを60%削減。DropboxはAWSのS3からオンプレへ移行し2年で7500万ドルを削減した。37signalsは年間320万ドルを60万ドルへ81%圧縮、Discordはハイブリッド構成で45%削減、LinkPoolはコロケーションへ完全移行しコストを90~95%削減した。一方で脱クラウドは万能ではなく、需要予測が可能・投資余力がある・技術力を保有する――という条件がそろってこそ“正解”になる点も明らかにする。