1日2兆円超の取引を処理するシステムの監視体制、SBI証券はどう刷新した？

　SBIグループの金融サービス事業の中核を担うSBI証券。同社は2023年9月、国内株式の売買における手数料の無料化を開始した。これに伴い、取引量の増加を見据えて、オンプレミスで運用してきた国内株式取引システムをクラウドへ移行する方針を固め、プロジェクトを推進した。

　しかし、当時のクラウドサービスの機能では、アカウントごとに監視やログ収集を行う必要があり、取引システム全体を統合的に管理できないという課題があった。そこで、データを日本国内で保有でき、洗練されたUI／UXを備え、初心者にも扱いやすいクラウド運用管理ツールを採用。導入後は、監視とログ管理の統合が進み、これまで把握しづらかった異常を早期に発見して迅速に対処できる環境が整ったという。

　また、各チームが同じ画面を通じて情報を共有できるようになったことで、インシデント対応が大幅に効率化され、エンジニアの負荷も軽減された。現在、同ツールは1日2兆円超の取引を処理するオンライン取引システムの安定運用を支えている。本資料では、同社の移行プロジェクトの詳細を解説する。