量子コンピュータの実用化が迫る中、対称暗号化と非対称暗号化に依存した既存のセキュリティ対策ではデータ保護が困難になり、情報漏えいなどの被害が広がることが懸念されている。実際に、従来のコンピュータでは2048ビットのRSAキーを突破するには10億年かかるが、量子コンピュータなら100秒で突破できるといわれているほどだ。
こうした量子脅威への対策として注目されるのが、量子攻撃に耐性があると考えられる“難しい数学的問題”に依存する「ポスト量子暗号(PQC)アルゴリズム」と、量子力学を使用して鍵を安全に交換する技術である「量子鍵配送(QKD)」だ。特にPQCは、既にNISTが主導するオープンな標準化プロセスを通じて厳密にテストされており、より実用的で信頼性が高い手段といえるだろう。
また、PQCへの移行は不可欠だが、そのプロセスにおける暗号化キーを保護するためには、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)の存在も忘れてはならない。本資料では、量子脅威への対処方法として有力なPQCの特長や、導入に向けて考慮したい5つの推奨事項、HSMの重要性を詳しく解説しているので、参考にしてほしい。