「年商」は普段からよく耳にする言葉だが、決算書の中にも年商という記載はなく、年商が何を指すのか不確かな人も多い。まず「決算書」とは、企業の経営成績や財政状態を、勘定科目や会計数値を使ってまとめた書類一式のことで、会社法では「決算報告書」、金融商品取引法では「有価証券報告書」と呼ばれ、それぞれに内容が異なる。
決算書の中でも特に重要となるのが、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の「財務三表」と呼ばれるものだ。年商は、この損益計算書の一番上の項目に表示されているが、項目名は「年商」ではなく、「売上高」となっている。損益計算書は一定期間における企業の経営成果を示したものだが、年商は企業が一年間で得た収益の総額のことを指すため、1年単位で作成された場合の売上高は、年商と置き換えることができる。
損益計算書に記載されている売上高や利益は、分析することで経営に役立てることができる。本資料では、決算書の基礎知識や年商について解説した上で、損益計算書における分析方法を紹介している。