ランサムウェアは登場から30年以上が経過したにもかかわらず、脅威であり続けているばかりか、その攻撃による被害はさらに甚大になっている。実際に2021年には米国最大のパイプライン事業者や、多くの顧客を抱えるITソリューションプロバイダーが相次いでランサムウェアによる侵害を受け、社会問題となった。
その背景には、ランサムウェア攻撃の手法がテクノロジーの進化とともに高度化し、より戦略的になっていることがある。しかしもっと深刻なのは、ランサムウェア攻撃に対する最善の防御策として共通認識になっている、堅牢(けんろう)なバックアップとデータ保護の組み合わせが、実は誤りであると多くのリーダーたちが気付いていないことだ。
本コンテンツでは、ランサムウェア攻撃の発端から最新のインシデントに至るまで、進化や高度化の流れを解説するとともに、従来の典型的な防御策と境界重視のアプローチの誤りを指摘する。そして、複雑で難解なステップで構成される一連のランサムウェア攻撃への防御策として、ゼロトラストアプローチが有効である理由も解説する。