ERPの導入は、他のIT製品に比べ関係者が多く、プロジェクトの取りまとめにはマネジメント力が問われる。組織図上の上下関係や力関係に起因する停滞を避けるために、プロジェクトチームに明確な役割と権限を付与してきちんと体制を作っておき、製品選定では、過去のプロジェクトの成功経験に固執せず、先入観を持たないことが重要だ。
また、導入目的の明確化と、それに基づく選定基準への落とし込みは、RFP(提案依頼書)作成前に終えておく必要がある。後から入ってきた重要人物の「鶴の一声」によって起こる停滞や手戻りは、プロジェクトの失敗要因となりやすい。それを防ぐためにも、事前に関係者全員が合意した選定基準を作成しておく。また製品の情報収集の段階では、フラットな目線を持ち、特定の製品ありきにならないように気を付けたい。
RFPを送付した後の選定プロセスでは、ベンダーからの提案書に対し、どれだけ目的を実現できるのかという観点で冷静に検討することが重要だ。本資料ではこうしたERPの導入プロジェクトにおける製品選定の進め方を、さまざまなERPベンダーと関わってきたITコンサルタントが、4つのポイントから解説する。