海外への店舗出店を目指す企業にとって、頭の痛い課題の1つが“基幹システムの構築”だ。現地のニーズに対応したシステムの作り込みに膨大な工数が発生するだけでなく、現地システムの更改、ITスキルの高い専任担当者の確保、現地でのサポート体制の構築などが必要となることから、なかなか海外出店にこぎつけられない企業は多い。
こうした課題を克服して海外出店を加速させているのが、30を超えるブランドを展開するファッション企業のアダストリアだ。同社では、2019年に中国上海市に旗艦店をオープンしたが、システムの導入に1年もの時間を要した経験から、タイのバンコク旗艦店オープンのタイミングでSaaS型ERPの導入を決断。SaaSの利点を生かし、わずか3カ月という短期間で販売と会計の機能を構築した。
その後は、タイのITベンダーが提供するPOSと連携させた他、業務プロセスの改善や変更も実施し、急速なビジネス環境の変化に対応できるシステムへと進化させている。こうした取り組みを「専任者なし」で実現した同社。成功の秘訣を本資料で詳しく見ていく。