諸外国と比べて、医療データの横断的な利活用の遅れが指摘される日本。その課題の1つとされるのが、医療データの管理方法と体制の問題だ。多くの医療機関がいまだに紙の書類で情報を管理し、電子カルテもオンプレミス管理であるため、他施設とのスムーズな共有が困難な状態にある上、「セキュリティによる保護」「医療データの運用における各種法令への準拠」が必要になる。
これらの解決に取り組んだのが、東京医科歯科大学と日立システムズだ。Amazon Web Services(AWS)のマネージドサービスを組み合わせ、クラウド上でがん患者の電子カルテデータ利活用の有用性を検証。システムにアップロードされたデータを数十分で「HL7 FHIR形式」に変換するとともに、実際の診療で活用できるようWebブラウザで視覚的に表現することを可能にした。
データをセキュアに保つためのセキュリティ機能としては、多要素認証によるアクセス制限、ゼロトラストなど多層的な対策を実施している他、「3省2ガイドライン」といわれる医療情報システムの要件を6カ月という短期間でクリアし、同校初の医療データのクラウド管理を実現。本資料では両組織の取り組みを詳しく紹介する。