ソフトウェア開発における「遅いビルド」によって、そのプロセスで行うことの優先順位を付ける必要が生じる。追加機能の実装やリソースの連携、プロジェクトの追加などを優先してしまうと、テストに回す時間が少なくなり、テスト範囲も絞られ、プロジェクト全体の品質がリスクにさらされる。
これを避けるためのビルド高速化は、ハードウェアの追加、あるいは手作業でユニット/タスクを分割して実行するという方法が考えられる。だが前者の方法ではハードウェアの設定や管理・運用に時間を取られることとなり、後者の方法ではビルドパイプラインの専門知識が必要になる。重要なのは、高速化にかかる労力やコストが見合ったものであるかどうかを綿密に検討することだ。
本資料では、ビルドが遅いことによる品質上の懸念事項を取り上げ、幾つかの対策を考察する。併せて、ビルドインフラを迅速に拡張してビルド時間を劇的に改善し、ビルドリソースの設定、構成、管理への投資を最低限に抑えることができる開発高速化ツールを紹介する。最小限の時間とリソースで大きなリターンを得られるという。