C++は優れたプログラミング言語として広く利用されているが、ビルドに長い時間がかかることはかねて課題となっており、特にCI/CDが主流のアジャイル開発環境では、深刻な問題と捉えられている。C++ビルドが遅い理由には、マシンのリソース不足、依存関係の多さなどさまざまなものがあるが、コンパイル時のデータ処理が複雑で動的なことが主な要因となっている。
ビルド時間が押してテストが後回しにされると、本番環境までにバグに気付かず開発が進み、コスト増やソフトウェア品質低下につながるおそれがある。こうした事態を回避するには、高性能なビルドマシンの導入、Pimplイディオムの活用、プリコンパイル済みヘッダの使用、コンパイル単位の一元化などの方法が考えられるが、それぞれにメリット/デメリットがあるため事前に理解しておきたい。
本資料は、C++ビルド高速化のためのガイドとして、C++ビルドの問題点や、時間短縮のための具体的手段を解説する。あわせて、仮想分散処理技術によってビルドパフォーマンスを大幅に向上させる、C++ビルドに特化した開発高速化ツールも紹介しているので、参考にしてほしい。