デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革を進めるため、仮想化環境のクラウド移行に取り組む組織は多い。高額なデータセンターの賃料やネットワークの費用を軽減しつつ、トラブル対応などの負担からIT部門を解放し、システム運用を安定化させるなど多数のメリットが期待できる。
一方で、大規模なクラウド移行のハードルは高い。仮想化環境のバージョンや移行ツールとの相性などから、移行計画はトラブルが生じやすく、長期化しがちだ。こうした困難さに挑み、大規模なクラウド移行に成功した国内企業がある。JBCCを中核とするITサービス企業、JBグループだ。
同社は約80システム、230台の仮想マシンから成る仮想化環境をAmazon Web Services(AWS)へ移行。データセンターの廃止による大幅なコスト削減に成功している。何より注目したいのは同社が、オンプレミスのvSphere環境を、運用方法をほとんど変えずスムーズにAWSへ移行できたことだ。同社はどのようなアプローチを取ったのか。