犯罪者にとって魅力的な市場、ゲーム業界を狙う脅威とセキュリティの現状

　急拡大が続くゲーム市場において懸念されているのが、そのセキュリティだ。他の業界もそうであるように、ゲーム業界においてもサイバー攻撃は増加傾向にあり、その巧妙化も進んでいる。特にゲーム業界が危ういのは、犯罪者たちがこの業界を、低リスクで大きなリターンを得ることのできる投機的活動の場と捉えていることだ。

　その理由の1つが、ゲーム業界特有の消費者の傾向にある。ヘビーユーザーはゲーム内のアイテムを惜しみなく購入する。犯罪者はそうして育て上げられたアカウントを盗み出し、それを高い価格で売却して利益を出すという仕組みだ。近年ではこうしたアカウントの窃盗に、クレデンシャルスタッフィング攻撃（botによるパスワードリスト型攻撃）が多用されているという。

　ゲームプロバイダーは追加のセキュリティ対策を推奨するなどの注意喚起を行っているものの、ユーザーのパスワード使い回しは常態化しているのが現状だ。本コンテンツではこのように、ゲーム業界におけるサイバー攻撃の動向と課題を探っていく。