特定部門にマッチする“ハイパフォーマー”を見逃さない、戦略的人事の実現法

　近年、企業経営において“戦略的人事”への転換が語られるようになった背景には、労働人口の減少や人材獲得競争の激化といった社会情勢の変化がある。有能な人材の確保がますます困難となる中で、企業が生産性を高め、持続的成長を図るためには、採用／育成の強化と、人材流出の防止に向けた企業戦略が今まで以上に重要となるだろう。

　そこで、この戦略をリードする人事部門が採用し始めたのが、各人材が持つ知識、スキル、経験、人脈などを可視化し、適材適所で活用する「タレントマネジメント」だ。既に、その実現を支援する専用ツールやBIツールは幾つも登場しており、タレントマネジメントを実践することのハードルは大きく下がっている。

　しかし、職歴や評価、技術、資格といった人事情報のみに頼ったタレントマネジメントには限界もある。それでは、「特定部門で最も効果を発揮する人材タイプ」「将来的に自社から失われる可能性のあるスキル」といったことまで見通せるようになるためには、どのような仕組みやツールが必要となるのだろうか。