802.11n規格の大きな魅力のひとつとして、データスループットが、それ以前の802.11無線LANに比べ、5倍にもなることがあげられる。
このスループットの増加は、TCP/IPスタックの物理レイヤ及びMACレイヤが改善されたことに加え、新たなMultiple In-Multiple Out (MIMO)無線アーキテクチャが採用されたことによる。
これらの機能が、クライアントとAPにどのように実装されているかにより802.11n規格製品の性能は決まる。
実際、実装はメーカーにより異なるため、設計が良ければ150Mbps以上の性能がでるが、大きく劣るものもある。
そこで、代表的な4種類のベンダーのエンタープライズ向けAPについて、クライアント向けの下りのTCP通信の性能を測定。
クライアントには5種類のノートPCを用意し、単一もしくは混在環境で試験を実施した。
その結果、驚くべきことに、理想的な状態にあったときでも、エンタープライズ向け無線LAN機器の性能には、極めて大きな差があることが明らかとなった。