パスワードは「知っている値」を根拠とするため、偽サイトへの誘導や中継攻撃に弱く、MFA(多要素認証)を重ねても値がセッションに結び付かない限り、防御としては不十分だ。本資料ではこれを踏まえ、パスワードレスを理解する観点として、「フィッシング耐性」「同期パスキーとデバイス固定パスキーの違い」「回復経路の設計」を整理し、資格情報がどこに保管され、失ったときどのように戻すかという視点を解説する。
また、導入・運用上の注意点についても言及する。移行期はパスワード経路が併存する前提で設計すべきことや、登録と回復の体制が普及率と強度を左右することを説明する。さらに、用途ごとに設定を分離できる「FIDO」「MFA」「認証」という3層のポリシー構成が持つ利点を挙げ、アプリケーションへの適用イメージを紹介する。
加えて、現状を把握して移行計画を固めるためのチェックリストを掲載する。パスワードレス化を技術選定だけの問題ではなく、運用設計と段階的移行の課題として捉える視点を提供する内容となっている。