AIエージェントのデモ開発は容易になったものの、いざ実業務へ展開、拡張しようとすると、従来のソフトウェアとは異なる特有の課題が表面化する。なぜ機能や対応範囲を広げるほど、システムは脆弱になり、コストやエラーの連鎖が起きてしまうのか。
鍵を握るのがメモリの設計だ。米プリンストン大学の研究チームが提唱するフレームワーク「CoALA」は、“今”見えている情報を保持するワーキングメモリ、社内ルールを覚えるセマンティックメモリ、業務の「やり方」を保持するプロシージャルメモリ、経験から学習するエピソディックメモリという4種類を示す。情シスが設計すべきは「AIモデル」ではなく「AIの記憶」なのだ。
さらに実運用へ広げる段階では、コストとレイテンシの非線形な増加、エラーの波及、中央集権化の限界という“3つのわな”が待ち受ける。本資料はIBMの専門家の解説を基に、責任をどう分散させ、どこに複雑性を置くのか、システム拡張で押さえるべき設計の勘所を整理する。