コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」におけるコンテナクラスタ(Kubernetesクラスタ)の運用管理は複雑なプロセスによって成立している。デプロイ(実行環境への配置)時には、設定を効率化する手法とツールを使い、CPUやネットワークなどのリソースの利用率、通信速度といったパフォーマンスのレベルを監視する。デプロイ後は、Kubernetesクラスタの可用性とのレジリエンス(回復力)を確保するために、適切なインフラを選択するといった具合だ。
Kubernetesクラスタの運用管理には、厳重なセキュリティ対策も欠かせない。SUSEの「Rancher」、Red Hatの「Red Hat OpenShift」(以下OpenShift)、VMwareの「VMware Tanzu」といったKubernetesクラスタ管理ツールは、セキュリティに対してそれぞれどのようなアプローチを取っているのか。
本稿は、Kubernetesクラスタの運用管理において実施すべき操作や考慮すべき原則、自社のセキュリティ要件に合った管理ツールを検討するためのヒントを紹介する。