「データが資産」と言われるようになって久しい。特に顧客や商品、仕入れ先などの重要な基本情報を記したマスターデータについては、「マスターデータ管理(MDM:Master Data Management)」の名の下、品質維持・向上に向けて以前からさまざまな取り組みが続けられている。しかし、ITで効率化する業務領域が広がるにつれて、これまでのMDMに限界が見えてきた。そうしたなかMDMの現実解として脚光を浴びつつあるのが、「マスターハブ型MDM」である。
本稿は次の3点を説明する。まず1点目として、マスターハブ型に至るMDMの潮流を米国のケースを基に解説する。2点目として、マスターハブ型のMDMの全体像を紹介する。
そして3点目として、日本におけるMDMの現状と進むべき方向性について述べる。