「振動騒音」は、設計者にとっても頭の痛い課題の1つ。CAEで設計検証したいが、応力解析のように簡単にできない・・・という方も多いのではないだろうか。
その原因の一つは解析の規模にある。モデル全体の動的挙動をとらえる必要があるため、解析規模やコスト(時間)が大きくなりがちだからだ。そこで振動解析では、いかにモデル化をするかが成功のカギとなる。
本稿は、まず「振動解析の目的」を、静解析との比較しながら整理する。
次に、設計現場でも多く活用されている解析ツール「ANSYS Workbench Mechanical」を使い、「集中系モデル」や「縮退モデル」など、近年注目されているモデリング手法や解析手法を紹介していく。
ANSYSのユーザー様はもちろん、他のCAEをご利用の方も、基本的な考え方は参考になるのではと思う。設計現場で振動解析をはじめるきっかけの1つになれば幸いだ。
目次
1. はじめに
2. モデリング機能
質点/バネ/ジョイント/軸受/リモート点
3. 解析テクニック
線形摂動/残差ベクトル法/VT法/強制運動法
4. 最後に