製品設計の現場でCAEを使用する際、非線形解析に比べ計算コストが小さく、収束安定性の良い線形解析でモデル化する機会が多いだろう。では、なぜ非線形解析が必要なのか?それは線形解析よりも精度の良い結果が得られるだけではなく、評価したい事象によっては非線形解析でしか解けない事象があるからだ。
本稿では、線形解析と非線形解析の違いや使い分けについて、事例を交えて紹介するとともに、解析ツールのANSYS製品を使った場合の、非線形解析の設定方法も簡単に紹介する。これから非線形解析をはじめる方や、現在取り組まれている構造解析に不安をお持ちの方の一助になれば幸甚である。
目次
1. はじめに
2. 構造解析における線形・非線形解析の違い
3. 非線形性の要因
4. 大変形
大変形の設定/大変形ON 、OFFの比較
5. 非線形材料
塑性のモデル化/超弾性のモデル化/線形材料と非線形材料の使い分け
6. 非線形接触
接触の設定/線形接触、非線形接触の使い分け
7. まとめ